Thursday 17 October 2013

クロノリス

未来から時を越えて塔が送り込まれてくるという、どこかで見た設定のSFです。時間封鎖のR.C.ウィルスンの2001年の作品。9.11 以前ですか。1999年の終末予想やY2Kがあっさり外れた後、そして、9.11 でアメリカがああなってしまう以前、歴史の終わりとかの話があった頃ですね。

でも、個人の嗜好をネット経由で分析するビッグデータみたいな話が既に載ってるのはさすが。この人は用語がうまいと思う。

* タウタービュランス
* ミンコフスキーの氷
* 超低温衝撃波

とか。時間物ですが、設定は良く出来てます。パラドックスにも正面から挑戦してます。女性理論物理学者スーが、それっぽくて良いです。

塔にはクインが政治的に勝利したと書かれていて、それ自体がパラドックスを構成するわけですが、話は、できの悪い父親を中心に進みます。これは、時間封鎖三部作でもそうだな。同じ芸風ですね。

終わり方はしょぼいと言って良いかな。でも、そういうのも嫌いじゃないです。連環宇宙は無理に広げすぎだったし。クイン側の記述があれば面白かったと思うのだけど。ターミネーターも未来側の記述はないんだよな。多分、作者自体はクイン側の設定をたくさん持っているのだろうと思いますが、それをうまく入れられなかった、あるいは、わざと入れなかったのでしょう。

もし、クイン側を中心とした続きがあるなら、もちろん読みたいですが…

最近、本読まなくなっていたので、二冊続けてさっさと読むのは珍しい。二冊とも、面白かったということでしょうね。
連環宇宙
クロノリス−時の碑−

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