Saturday 3 February 2007

ファインマン・レクチャーと、ランダウ・リフシッツ教程



ファインマン・レクチャーは、Caltech (カルフォルニア工科大学)のファインマン先生の講義録です。わかりやすい。何だが、物理の教程としては異質。なので教科書としては使えません。問題はファインマンが計算力がありすぎること。なので、計算をわざと避けている講義なんだよね。



中学高校では物理は「F=ma」つまり、力を基本とするニュートン流の力学を教えるのだけど、それは、現代的には、まったく時代遅れ。量子力学的には間違っているし、相対論的には不変量でさえない。間違っているもの教えるから、理解できるはずない。



なので、ファインマンレクチャーも、ランダウ先生とリフシッツ先生の力学の本も、F=ma なんて、出て来ません。当然です。ファインマンの方は作用を使い、ランダウの方はラグラジアンを使います。



でも、量子力学に必要なのは、作用でもラグラジアンでもなくて、ハミルトニアン。これは、エネルギーに直接対応したものなので理解しやすいです。例えば、運動のハミルトニアンは、1/2 mv^2 。これを一回微分すると、 mvで運動量が出て来て、もう一回微分すると ma が出て来る。なので、これしかなければ、ma=0 で、自動的に「粒子だけだったら、加速度0の慣性運動」ってのが出て来る。便利だ〜



高校の物理と数学自体を、ハミルトニアンを理解するために再構成するべきだと僕は思う。



ラグラジアンとか作用が二次の微分方程式なのに比べて、ハミルトニアンは一次の微分方程式なので、その分、計算がやさしいし。ハミルトニアンだったら、「量子力学を学ぶための解析力学入門」

http://tinyurl.com/ywh6h7

これがお勧めの入門書だと思う。



で、計算力が付くと、ランダウ・リフシッツは面白いです。逆にファインマン・レクチャーは計算が出て来ないのでつまらない。

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